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【完全解説】オフセット印刷の仕組みと原理:高品質な商業印刷の基礎知識

2025.10.29

「オフセット印刷」という言葉は知っていても、その仕組みや原理を正確に理解している方は多くありません。

「なぜ、オフセット印刷は高品質で大量の印刷物を作る事が可能なのか?」

この問いに答える事は、貴社のパッケージや販促品の発注戦略を最適化する上で非常に重要です。

私たちは大阪で創業80年、長年にわたり大手化粧品会社の店舗ディスプレイや高品質なパッケージを手掛けてきた印刷のプロです。

この記事は、東京・大阪で印刷物の発注を担っている広報・マーケティング担当者、デザイナーの皆様へ、オフセット印刷の仕組みを基礎から応用まで分かりやすく解説します。

原理を理解する事で、

  • 納期
  • コスト
  • 品質

のすべてを最適化する知識が身に付きます。

オフセット印刷の基礎知識

間接転写の平版印刷

オフセット印刷が「主流」と呼ばれる理由とその仕組みの由来をご紹介します。

「オフセット印刷」が世界で主流な理由

オフセット印刷は、現在、世界中の商業印刷物の大半を占めている最も重要な印刷方式です。

  • チラシ
  • ポスター
  • カタログ
  • 雑誌
  • パッケージ

など、高品質かつ大量の印刷物に広く利用されています。

その理由は、印刷の再現性が高く、コストパフォーマンスに優れています。

高速で連続印刷が可能なた めです。

平版印刷の原理:水と油の反発

オフセット印刷は、版の表面が平らな「平版印刷」の一種です。その原理は単純で、「水と油は反発し合う」という性質を利用しています。

版のうち、インキを付着させたい画線部は親油性(インキが付く)、それ以外の非画線部は親水性(水が付く)に分けて作られます。

この水(湿し水)と油(インキ)のバランスを保ちながら印刷を行うのがオフセット印刷の仕組みです。

平版印刷における親水性(水)と親油性(インキ)の領域
画線部にのみインキが付着する仕組みが高品質を実現します。
オフセット印刷で制作された商業印刷物(カタログ、パッケージ、ポスター)
チラシからパッケージまで、幅広い用途でオフセット印刷が利用されます。

オフセット印刷 工程の詳細解説

印刷物を生み出す工程

データ入稿から納品までの一連の流れと各工程の役割。

CTPによる版(刷版)の制作

オフセット印刷の工程は、まず「製版」から始まります。

かつてはフィルムを使っていましたが、現在の主流はCTP(Computer to Plate)という、デジタルデータから直接アルミ版(刷版)を作られる方式です。

この刷版によって、インキを乗せる画線部と、水を乗せてインキを弾く非画線部が作られます。

版の精度が印刷物の品質を決定づけます。

オフセット印刷機材:三つの胴の役割

オフセット印刷の仕組みを理解する上で、印刷機に備わった「三つの胴」の役割が重要です。

  1. 版胴:CTPで作られたアルミ版が巻かれ、湿し水とインキが供給されます。
  2. ブランケット胴:インキが付着した版胴から、ゴム製のブランケットに画像が転写されます。「オフセット(間接転写)」と呼ばれる所以です。
  3. 圧胴:用紙をブランケット胴に押し付け、最終的にインキを転写させる役割を担います。

版が用紙に直接触れない仕組みのため、版の摩耗が少なく、数十万枚の大量印刷に適しています。

印刷後の後工程:品質の仕上げ

印刷が終わった後も、印刷物の完成には様々な工程があります。

  • インキを定着させる乾燥処理
  • 光沢や保護を目的としたPP加工やニス加工
  • そして最終的なサイズに整える断裁や、冊子にする製本加工(折、綴じ)

などが含まれます。

CTPによるアルミ刷版の制作風景
デジタルデータから直接版を作られることで、高い再現性が確保されます。
オフセット印刷機内部のインキと湿し水ローラーの構造
インキと水のバランスを調整する事が、安定した品質の鍵です。

オフセット印刷とデジタル印刷の決定的な違い

方式による違いを比較

オフセット印刷とデジタル印刷の優劣を理解する。

h3: オフセット印刷 メリット デメリット(大量 vs 少ロット)

特徴オフセット印刷デジタル印刷(オンデマンド印刷)
初期コスト版代がかかるため高い版が不要なため安い
単価大量ロットで単価が安くなる少ロットでも単価はほぼ一定
品質・再現性写真や色の再現性が極めて高いトナーやインクジェット方式でオフセットにやや劣る
納期製版や刷り出しに時間がかかる短時間で印刷可能(短納期)
対応ロット大量印刷(数百枚以上)に最適少量印刷(1枚~数十枚)に最適

オフセット印刷とデジタル印刷の違い(原理と用途)

両者の最大の違いは「版」の有無と「インキ」の種類です。

オフセット印刷は版を作られる必要があります。

液体インキを使った間接転写方式で、大量に同じものを作る事に特化しています。

一方、デジタル印刷(オンデマンド印刷)は、版が不要でトナーやインクジェットのインキを使います。

可変データ(1枚ごとに内容を変える)の印刷に向いています。

貴社の商品パッケージや冊子など、品質が特に求められる印刷物はオフセット印刷が最適です。

(サイト外リンク:JAGAT(公益社団法人日本印刷技術協会)の公式サイト

オフセット印刷とデジタル印刷(オンデマンド)の比較図
高品質で大量ならオフセット、少ロット・短納期ならデジタルが最適です。

印刷品質を左右する要素とトラブル対策

失敗しないための知識

インキ、用紙、機材が品質に与える影響と対策。

オフセット印刷 インキと用紙の選定

オフセット印刷で使用されるインキは油性が主流です。

CMYK(シアン、マゼンタ、イエロー、ブラック)の4色を重ねる事でフルカラーを再現します。

インキの濃度や粘度の調整が色味を決定づけます。

また、オフセット印刷に適した用紙は非常に幅広く、

  • コート紙
  • マットコート紙
  • 上質紙

など様々な種類を利用可能です。用紙の表面の平滑性や吸着性がインキの定着や再現性に大きく影響を与えます。

用紙選定は重要な工程です。

オフセット印刷のトラブルシューティング:注意点

オフセット印刷の現場で起こりやすいトラブルとその原因を理解しておく事は、発注時の品質管理に役立ちます。

  • にじみ:湿し水の量が多すぎる事や、インキの粘度が低い事が原因で発生します。
  • 色ズレ(見当ズレ):4色の版の位置合わせが正確でない場合に起こります。特に細かい文字や線で顕著に現れます。
  • 裏移り:インキの乾燥が不十分なまま積み重ねる事で、裏面にインキが付いてしまう現象です。

これらは印刷会社の技術や品質管理体制に大きく左右されます。

オフセット印刷 機材の進化と環境対応

オフセット印刷機は近年、自動化が進みました。

  • 短時間での刷り出し
  • 色の自動調整

が可能になっています。

また、インキから揮発性有機化合物(VOC)の排出を抑えるための環境配慮型インキの開発も進みました。

環境に優しい印刷方式としての進化を続けています。

CMYKの4色インキによるフルカラー再現の仕組み
4色のインキの濃度を調整して、写真の色味を再現します。
見当ズレやにじみといったオフセット印刷のトラブル事例
色ズレは印刷会社の技術レベルを見極める重要なポイントです。

まとめ:オフセット印刷の知識がビジネスを加速させる

オフセット印刷の仕組みを理解することは、単に知識を増やすだけではありません。

貴社のビジネス成果に直結します。

大量ロットの印刷物の単価を抑えます。

写真やイラストの色を美しく再現できるオフセット印刷は、パッケージや販促カタログの品質を担保する上で欠かせません。

東京・大阪で印刷会社を探す際には、

  • 「CTP」
  • 「ブランケット胴」
  • 「湿し水」

といった専門用語を理解している事で、より的確な相談や品質管理が可能になります。

私たちは、創業80年の長きにわたり培ってきたオフセット印刷のノウハウと品質管理体制で、貴社の多様な印刷ニーズに応えてまいります。

  • 「オフセット印刷とデジタル印刷、どちらが最適か」
  • 「納期を短縮するためにはどうすればいいか」

など、どんな小さな疑問でも構いません。

お気軽にご相談ください。