1955年頃に行ってまいりました。 後編
2024.02.21
こんにちは、東京営業部の石川でございます。
さて前回からのレトロ探訪の続きでございます。
トキワ荘ミュージアムを出た我々は、
敷地に沿って伸びる「南長崎通り」を歩き始めます。
お昼も過ぎた午後1時頃に目指すのは「中華料理 松葉」というお店。
トキワ荘健在の時代から続く町中華のお店で、
漫画家の先生方も頻繁に食べていたラーメンが名物なんです。
お店まで歩く道中で頒布されていた地図を広げてみますと
「昭和レトロ館」やら、「マンガステーション」に
「トキワ荘お休み処」なんて施設もこの通りにあることが分かります。
まだお昼を食べてからもここを離れるわけにはいかないぞ、
と話していると遂に目的の「中華料理 松葉」さんに到着。
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ガラスの引き戸を少し開けて店内を覗き込んでみると
中は満員御礼。
なんだか、トキワ荘ミュージアムで見かけた人たちもチラホラ見えます。
おそらくミュージアムに訪れた後で
ここのお店に来るのは鉄板コースなのでしょう。
お店の営業時間を確認した上で
時間を空けて後ほどまた来ようと話し合って、
すぐ隣の「昭和レトロ館」に我々は足を向けました。
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1階は企画展示室と漫画の書架となっており、
メインの常設展示がある2階を目指します。
2階にあがるとそこは、
先ほどのトキワ荘ミュージアムの2階部分と同じような廊下なんですが、
トキワ荘よりも年季が感じられ、どこかから移築したかのようです。
いくつかの部屋に分かれて展示室があるらしく、
一番奥の部屋から覗いてみますと、
料理が載ったちゃぶ台が中央に鎮座する6畳ほどの部屋でした。
当時の部屋を再現しているようで、
家具類なんかもレトロなものが多く、
キッチンまで据え付けられています。
トキワ荘の4畳半より広いなあ、なんて見て回っていると、
職員の方がニコニコで入口に立っていました。
これ幸いと建物について質問をいくつかしてみると、
待ってましたと言わんばかりに喋る喋る。
この建物に興味を持ってくれたのが嬉しくてたまらないといった感じで
こっちも興味深いお話に耳を傾けてしまいます。
聞いたお話によると、
こちらの建物は、トキワ荘と違って
当時のまま、ここに建っているらしく、
天井も壁もあらゆるものが、70年程前の物なんだとか。
柱に無数に空いたクギ穴も当時の住人が開けた穴とのことです。
移築ではなかったんですね。
トキワ荘よりも家賃が高く広い部屋だったらしく、
一人暮らしで一杯といった感じのトキワ荘と比較してこちらは、
新婚夫婦が住むくらいの部屋なようです。
貴重なお話を聞いてから、隣の部屋に我々が移動します。
そこはとあるジオラマ作家の方が、
当時の昭和の風景を再現したジオラマがいくつか展示してありました。
特に池袋の駅前の模型なんかは素人目にも面白く、
現在の池袋と比較して
「あ、あそこって昔はあんな広場だったんだ」とか盛り上がっていると、
先ほどの職員の方が後ろに……付いてきてましたw
ここでも楽しく興味深いお話を色々と披露していただき、
我々は良いガイドに巡り合ったなあ、
などと話しながら昭和レトロ館を後にしました。
(ココ、職員の方の熱意がすばらしく、本当におすすめです。)
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さて、もう一度「中華料理 松葉」に戻る頃には、時計の針は午後2時。
さすがにもう空いているだろうと店内に入ってみますが、
まさかの満員御礼……と怯んでいたら、運よく奥のテーブルが空いており、
ようやく我々は席に着くことができました。
店内には漫画家のサインがたくさん並んでおり、
やはりここら一帯は漫画の聖地なんだなあと感慨に耽ります。
こちらでは、酎ハイのサイダー割りの「チューダー」をちびちびしながら、
注文したラーメンを待ちます。
サイダーの焼酎割りだから「チューダー」。
トキワ荘の宴会で必ず出てきた飲み物らしく、それを再現しているということです。
味は想像通りのサイダーの焼酎割ですが、
そんなエピソードを聞いて飲むと
なんだかノスタルジックな気分になるので不思議なものです。
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さて、いよいよお待ちかねのラーメンが到着。
「このラーメンがドラえもん劇中で食されていたラーメンか…」
なんて話しながら食べ進めていきます。
あっさりとした昔ながらおいしい中華そばでした。
今時の濃厚系なラーメンではないのですが、
麺の量が多く、食べ終わる頃には大の大人3人全員満腹になっていました。
お酒飲んで、ラーメン食べて、それで950円です。
観光地価格どころか、普通に昭和平成価格ですよ。
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満足気にお店を出て、我々はお土産を買う為に次の目的地にへと足を運びます。
道中で床屋さんを改装した「マンガステーション」を通り過ぎ、
遂に辿り着いたのが、「トキワ荘通りお休み処」
こちらは米屋さんを改装した施設で、
先ほどの「チューダー」のタンブラーや、トキワ荘の名入りスリッパや、
看板のマグネット、様々な文房具とトキワ荘に関連するグッズを販売していました。
売り場を物色していると店員の方から声を掛けられまして、
「良ければ一枚ほど絵を描いて行かないか」とのこと。
見回してみると、プロアマ大人子供問わず、
訪れた人々がここで描いた絵を展示しているようでした。
せっかくお声掛けいただいたのですが、
(面倒なので)辞退することに……
しかし、是非描いていって下さい、と向こうも譲りません。
先ほどのレトロ館といい、なんて押しの強い人達だw
「描くの絶対好きな人でしょ?見たら分かるんだから」
なんて言ってくるのですが、
実は、我々の中に1名本当にイラストレーターが居たので、
内心ドキリとしつつ改めて丁重にお断りして、お店を後にしました。
あ、ちなみにここでは、
チューダー味の飴やらを買いました。
姪へのお土産にしたのですが、
普通のサイダー味の飴と少し違う風味が気に入ったらしく、
あっという間に一袋食べてしまっていました。
またこのお店の2階も展示室となっていて、
当時の貴重な資料などが拝見できるほか、
昭和レトロ館のように職員の方が色々と案内してくれます。
お店を出て、「なんでバレたのかなあ」なんて話しつつ、
最後に本当にトキワ荘が建っていた場所の記念碑を見にいきました。
こちらは現在、
とある会社の敷地内にありますので、詣でる際には、
周囲の迷惑にならないよう気を付ける必要があります。
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さて、最後の目的地を見終えて、
ここで数々の名作漫画が産み出されたのだなあと感慨深げに駅へ向かって歩いていると、
再びトキワ荘ミュージアムの前に着きました。
夕焼けに染まるトキワ荘の姿を眺めながら、
途中のいい感じに古びた雑貨店で購入したミニ缶ビールを飲みつつ、
再びまた来ようと友人たちと話し合って、この1955年を後にしました。
最初は、見どころなんてトキワ荘ミュージアムだけかと思っていたのですが、
実際に歩いてみると、
既存の店舗を改装して様々な施設に転用している事が、
見事に「昭和レトロ」のコンセプトにかみ合っており
関心すると共に、
どのお店や施設の方も熱心に我々訪問者の相手をしてくださり、
本当にここが好きな人達なんだなと、なんとも居心地の良い町でした。
もし、行く機会があれば是非おすすめしたいスポットです。