PP加工のメリットを徹底解説:種類、費用、選び方ガイド
2025.11.26
- 「せっかくデザインした印刷物が、すぐに傷ついて汚れてしまう」
- 「商品パッケージに高級感や耐久性を持たせたいが、どの加工を施せば良いか分からない」
東京都内や大阪のマーケティング担当者様、起業家の方々から、印刷加工に関するご相談をいただく際に、最も多く聞かれる悩みです。
PP加工(ポリプロピレン加工)は、印刷物の表面に薄いフィルムを圧着する加工方法です。
単に「印刷物を長持ちさせる」だけでなく、印刷物の「魅力」を大きく左右します。
私たちは、創業80年の歴史と実績で、大手化粧品会社の店舗ディスプレイや高品質なパッケージを手掛けてきました。
今回の記事では、その専門知識に基づき、
- PP加工の主なメリット
- 2種類の加工方法(グロス・マット)の効果
そして費用やデメリットまでを詳しく解説します。
このガイドを読めば、貴社の目的に最適な加工方法を安心して選択できるようになります。
PP加工の多岐にわたるメリット
印刷物の価値を高める効果
印刷物の耐久性と保護効果
PP加工の最も大きなメリットは、印刷物の表面を物理的に保護する点にあります。
- 傷や擦れの防止: 冊子の表紙やポスターなど、人の手に触れる機会が多い印刷物は、運搬や使用により必ず傷がついてしまいます。PP加工を施すことで、フィルムがカバーとなり、本体の印刷面をしっかりと保護します。
- 耐水性と防水性の向上: PPフィルムは水分を通さないため、飲食店のメニューや水回りで使用する印刷物の濡れや汚れを防ぎます。表面に水が垂れても、簡単に拭き取ることが可能です。
- インクの色落ち防止: 長期間掲示するポスターなどで、インクが擦れて色が落ちるのを防ぐ効果もあります。
高級感の演出と手触りの変化
PP加工は実用性だけでなく、印刷物の印象を変える効果があります。
- 視覚的効果: 光沢感(グロスPP)や落ち着いた雰囲気(マットPP)を演出し、印刷物に格段の高級感を与えます。例えば化粧品のパッケージなど、ブランドイメージを重視する場面では不可欠な加工です。
- 触覚的効果: PP加工を施すと表面がツルツルとした滑らかな手触りになります。特にマットPPは「しっとり」とした特有の質感を持ち、読者に強い印象を残せるメリットがあります。

PP加工の種類と最適な使い分け
2種類の加工の違いと特徴
グロスPP(光沢)の特徴と効果
グロスPPは、印刷表面に高い光沢感を持たせるフィルム加工です。
- メリット:
- 色の発色向上: 印刷の色をより濃く、鮮やかに見せる効果があります。特に写真やイラストの多い印刷物に最適です。
- ツヤによる注目度アップ: 展示用のPOPや大型ポスターなど、遠くからでも目立たせたい印刷物に向いています。
- 最適な用途: 写真集の表紙、食品などの明るいパッケージ、イベントチラシ、映画パンフレット。
マットPP(つや消し)の特徴と効果
マットPPは、光沢を抑えたつや消しのフィルムを貼る加工です。
- メリット:
- 落ち着いた印象: 光の反射を抑えるため、重厚で落ち着いた印象を与え、上品な高級感を演出します。美術品のカタログや会社案内など、信頼性を重視する場面に最適です。
- しっとりとした質感: 表面に特有のしっとりとした手触りが加わり、印刷物の価値を高めます。
- 最適な用途: 化粧品のパッケージ、会社案内****冊子、作品集、高級メニュー表。
PP加工と他の加工(UV、ニス)の違い
PP加工の他に、表面を保護する加工としてUVコーティングやニス加工があります。
それぞれの特徴を理解し、目的に合わせて選ぶことが大切です。
| 加工方式 | 仕組み | 耐久性・保護効果 | 質感・表現力 |
| PP加工 | フィルムを熱圧着 | 最も高い(防水性・耐摩擦性) | 高級感が出る(マット / グロス) |
| UVコーティング | 液体樹脂を塗布、UVで硬化 | PP加工に次ぐ高さ | ツヤが出るが、フィルム感はなし |
| ニス加工 | 透明なインクを塗布 | 比較的低い(インク保護程度) | 光沢感や印刷面保護に優れる |
PP加工は、表面保護や高級感の演出において最も優れた効果を発揮します。

PP加工のコストと発注の注意点
費用と発注時の注意点
PP加工の費用とコスト構造
PP加工は印刷後に追加される工程のため、必然的に費用が発生します。その費用は主に以下の要素で決定されます。
- 印刷部数(ロット数): 印刷と同様、加工も初期設定の手間がかかるため、大量ロットほど一枚あたりの単価は安く抑えられます。
- 加工面積(サイズ): PP加工はフィルムを貼るため、加工面積が大きいほど費用は高くなります。
- 種類(マットPPかグロスPPか): 一般的にマットPPの方がグロスPPよりもわずかに価格が高くなる傾向があります。
予算を抑えるためには、冊子であれば表紙だけにPP加工を施し、本文は一般的な加工にするなど、部分的な使用を検討するのも一つの方法です。
PP加工のデメリットと注意点
多くのメリットがあるPP加工ですが、発注前に必ず確認すべきデメリットと注意点があります。
- 筆記性がない: PPフィルムはプラスチック素材のため、油性ボールペンなどでも書き込みができない場合や、インクが定着しにくいです。ハガキの宛名面やアンケート用紙など、後から追記が必要な印刷物には向いていません。
- 折り加工や製本時の剥がれ: フィルムは紙よりも伸縮しにくい性質のため、折り目や製本部分で剥がれやシワが発生する可能性があります。深い折り加工を施す際は、事前に印刷会社に相談し、スジ入れなどの対応を検討する必要があります。
- 廃棄時の分別: 紙とプラスチックの複合素材となるため、一般の紙類としてのリサイクルが難しくなる場合があります。環境への配慮を重視する場合は、代替加工なども考慮しましょう。

品質と費用対効果を高める選び方
失敗しない選び方のコツ
用紙とPP加工の組み合わせの最適解
印刷物の品質は、用紙とPP加工のバランスで決まります。
- 厚さの考慮: 薄い紙にPP加工を施すと、加工後に紙が反ってしまう(反りが発生する)性質があります。しっかりとした厚紙(例えば220kg以上など)を使用することで、この反りを防ぎやすくなります。
- 印刷色との相性: 濃い色を多く使用したデザインでは、マットPPを施すと、画面で見ていたよりも色が沈んだり、指紋が目立ちやすくなる場合があります。事前にサンプルや校正で確認することが重要です。
PP加工と他加工の組み合わせメリット
PP加工はその他の特殊加工(箔押しや型抜きなど)と組み合わせることで、より高いデザイン効果を生み出せます。
- 箔押し: マットPPを施した落ち着いた表面に、金色などの箔押しを組み合わせると、非常に上品で贅沢な高級感を演出できます。化粧品のパッケージデザインで多く採用される手法です。
- 型抜き: PP加工で強度を増した後に型抜きを行うことで、変形しにくい強度の高いPOPや特殊な形状の印刷物を制作できます。

5. まとめ:PP加工は付加価値を高める投資
貴社の製品とブランド力を強化
印刷物の寿命とブランドイメージの向上
PP加工の選択は、単なるコストではなく、印刷物の「寿命」と「ブランドイメージ」への重要な投資と言えます。
耐久性の向上は、長期間の使用や保存を可能にしました。
その結果、刷り直しの費用を抑えることにも繋がります。
また、優れた質感は受け取った人に高い品質の印象を与え続けます。
私たちは、80年の経験を持つ印刷加工の専門家として、貴社の目的(展示、販促、販売)に合わせたPP加工の最適な選択をサポートします。
専門家への無料相談を活用する
- 「予算内で最も高級感が出るPP加工はどれか」
- 「多少の水濡れに耐えるメニューを作りたい」
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