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『かわいい』の発見!

2021.09.17

9月担当 中西です。

先月、神戸ファッション美術館で開催されていた特別展「原田治展 『かわいい』の発見」を観に行ってきました。

原田治さんは、1970年代後半から90年代にかけて、女子中高生を中心に爆発的な人気を博したイラストレーターで、マザーグースを題材に、カラフルでかわいらしい数多くのイラストやオリジナルグッズを世に送り出されています。

ファッション業界で、1990年代のリバイバルブームが続く中、OSAMU GOODSも人気がリバイバル 中でございます。

名前にはピンとこなくても、画像を見ると「知ってる!」となる方が多いのではないでしょうか。

今回の展示では、「an・an」の仕事をはじめとして、広告・出版・各種グッズなど多分野にわたる作品が紹介されており、原田治さんの魅力が大いに感じられる素敵な展示でした。

原田さんは、1970年にイラストレーターとしてデビューし、雑誌「平凡パンチ」や「an・an」の表紙や紙面を担当されていました。デビュー後は、様々な需要に応えられるようにと、日本画のようなものから色鉛筆で描かれた絵など5年間で10種類の描写スタイルを編み出したそうです。色の指示からも、表現へのこだわりが多数感じられます。

原田治さんの生み出したキャラクターはアメリカのポップアートなどの影響を受けたさわやかな色彩が特徴です。

描線も細かく修正されていました。シンプルでありながら洗練されたデザイン。

原田さんの「かわいい」についての見解も紹介されていましたが、作品をみてるとしっくりきます。

イラストレーションが愛されるためには、どこか普遍的な要素、だれでもがわかり、共有することができうる感情を主体にすることです。そういった要素のひとつであると思われる「かわいらしさ」を、ぼくはこの商品デザインの仕事の中で発見したような気がします。

(原田治「別冊美術手帖」1983年秋号より)

終始一貫してぼくが考えた「可愛い」の表現方法は、明るく、屈託が無く、健康的な表現であること。そこに5%ほどの淋しさや切なさを隠し味のように加味するというものでした。

この「かわいい」への見解。本当なるほどでした。完璧よりも、少し雑味が混じった方が親しみや面白みを感じるという心理は、アイドルをプロデュースされる方なんかもよく口にされています。

神戸での特別展示はすでに終了してますが、たくさんの「かわいい」を感じられるだけでなく、仕事への真摯な姿勢や様々なものを学べる素敵な展示会でした。是非街中でOSAMU GOODSを見かけた際は、作品に込められた「かわいい」を感じてみてください。